精密機器等の複数モデル設計・開発時の、設計工数低減、共通化率向上、モジュール設計化の進め方や実例をお話しできます

エキスパート

氏名:開示前


■ 具体的な経験の内容
多くのラインアップの製品を日中欧の仕向け地ごとにもカスタマイズし、また毎年性能アップや新機能追加などのバージョンアップが求められる中、クライアントの設計・開発の人的リソースは限られており、年々開発遅れも頻発するような状態でした。設計再利用を促進し、各コンポーネント間での調整作業を軽減し、後戻り作業も最小化できる、組織的・体系的な群開発の仕組みを導入・定着を目的として、専門家・ファシリテーターとして約8ヶ月間、クライアント先の設計・開発チームに常駐しました。

■ 実績や成果
設計者や事業リーダたちとのインタビューや設計成果物や文書類のレビューを通じて、①複数製品を適切にカテゴリー化し、そのカテゴリーごとの事業性や損益を評価する仕組みがない、②上流設計が体系的に定義・実施されていない(例:いきなり詳細設計や要素設計に取り掛かってしまう)、③その段階(開発の早期段階)での事業性や設計レビューの仕組みがない、④製品を構成する要素間で(性能出しや品質維持のための)すり合わせ多い、などの課題を洗い出すことができました。

複数製品開発の標準的方法論を、現場に常駐しながら、進行中の複数の開発プロジェクトを題材として、設計・開発者と議論を重ねながら、対象業界および対象企業の現状に即してカスタマイズし、商品の要件定義、実現方式への落としこみ、製品構成やモジュール分割の定義、設計や開発業務の相互依存性の分析や除去など、一連の業務の標準形を整備し、組織に導入することができました。また、その過程で、全製品で統一的に定義されるべき設計の分割ライン、そしてそのラインの両側で遵守されるべき設計のインターフェースルールを見出すことに成功し、中期的な商品ロードマップの合理化・整流化に貢献することができました。

500名以上の組織において、8ヶ月間ほぼ私ひとりの常駐だけで完全に変わることができたとは思いませんし、滞在中に事業的・定量的な成果が出たとは考えておりません。ですが、少なくとも、経営陣には新しい手法・考え方・働き方の必要性を認識でき、2~3の開発・設計チームのメンバーはそれらを実際に体感することができ、今後これらを推進していく中枢グループが実際に横展開していく能力やスキルを獲得する、というふうにある程度、”永続する人財”を残せたのではないかと感じました。

■ そのときの課題、その課題をどう乗り越えたか
モジュール化、設計相互依存性の除去、複数製品の同時開発等に関する書籍や文献は多く存在しますが、実際の事業環境は目まぐるしく変化するとともに、設計・開発と一言でいっても、実際は販売、製作、品質保証等など多くの部門がかかわることによる複雑性や利害関係が加わり、そのうえで異なるラインアップの複数製品が関わるため、そのままでは実際の業務に応用できるケースは極めて少ないと感じました。また、組織が大きくなるほど、組織の歴史が長くなるほど、既存の働き方や考え方の一部であっても変えることは簡単ではありませんでした。

まずは先入観にとらわれず、インタビューや各種ドキュメントのレビューにより現状を「診断」して、ベストプラクティスとのギャップを課題として経営陣と認識し、そこからのモーメンタムで設計・開発者を巻き込んだプロジェクトを開始しました。また、そのギャップにもとづき、本来はこうすべきであろうという仮説のもとに、まずは実際の少数のプロジェクトに適用しながら、新アプローチの不具合も修正しながらエンジニアたちを徐々に引き付けて行きました。その点、常駐スタイルも彼らや製品・業界について深く理解するうえでよかったと思います。そうして分かった、標準手法や理論の「何が使えて、どのことはカスタマイズ」すべきかということを把握したうえで、今後横展開していく中枢グループへのナレッジやスキルのトランスファーをできたのがよかったと思います。

■ 業界構造(トレンド/主要プレイヤー/バリューチェーン等)の知見
プロジェクトの性格上、業界全体や競合他社について、業界の方にありがたがられるような知識や経験を得たりするものではありませんでした。ただ、製品やその構造の知識については約10年以上も前のことにはなりますが、クライアント企業の多くの方に、「xxさんが、深さではなく広さで言えば一番当社の製品のことをよく知っていると思います」とプロジェクト開始後3ヵ月後には言われるようになる、また、自社事務所に複写機の定期メンテナンスサービスマンが来た際は、彼らと1時間くらいは複写機の構造やトレンドについて雑談ができる、といった程度にはなりました。

■ お役にたてそうと思うご相談分野
① 複数製品を開発・設計する際の、設計工数低減、共通化率向上、モジュール設計化に関連する一般的な

■その他
地域: 東京
役割: 大手精密機器メーカーの群開発のパイロットプロジェクトチームにファシリテーター/専門家として参画し、モジュール化や共通化促進の手法の導入と仕組化を行う
規模: クライアントの対象部門の社員数は500名程度

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氏名:開示前

技術系キャリアとしては、国立大学~大学院にて車両振動工学を専攻し、近い将来開業する中央リニア新幹線の共同研究を担当していました。その後、大手プラントエンジニアリングメーカーで国内外の製鉄プラント向けの設備・機械の設計・開発業務に8年間従事しました。

その後米国トップ10経営大学院で経営学修士(MBA)を取得し、帰国後は米系戦略コンサルティングファームの日本オフィス立ち上げ期にコンサルタントとして参画しました。おもに大手製造業(電機、精密、製薬など)のクライアント向けに研究開発マネジメントの方法論の提供と導入、組織統合時における研究・開発・設計部門インテグレーション、日米欧3極の研究開発部門の人事制度統一や新報酬制度導入、疾患領域ごとの組織横断的オペレーションや意思決定構造の確立などを8年間にわたりリードしました。

四大会計事務所のコンサルティング部門に統合後は、プリンシパルコンサルタント職から日本代表パートナー直属のCOOとして、週例取締役会の準備とファシリテーション、米国本社や日本支社とのインテグレーション業務、人事部長職(採用、評価、報酬、プロジェクトアサイン、教育)、その他バックオフィス(法務、倫理、ITなど)統括を4年間にわたり担当しました。


職歴

職歴:開示前


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