24時間365日稼働の食品工場の外国人労働者のマネジメントについて話せます

エキスパート

氏名:開示前


私は20年あまり経営コンサルタントとして働いてきた。2008年には独立して自らの事務所も構えた。その中で、2014年から2015年にかけて、事務所の代表と兼任して、大手コンビニチェーンに焼きたてパンを供給する中堅食品メーカーで人事部長を務めた。困難なことが幾つもあったが、とても貴重で、やりがいと学びの多い時間だった。
今回は、私が事業会社の人事部長になってあらためて学んだ「理論」と「現場」の関係を述べたい。

私は経営コンサルタントとして理論、フレームワークを使って、さまざまな制度、仕組みをクライアント企業に導入支援してきた。一つとして容易なものはなかったが、中でもL社では困難を極めた。

コンビニチェーンにおいしく安全な食品を安定供給するために、工場は24時間365日稼働している。そのことが現場に与える緊張感と負荷の高さを想像していただけるだろうか。そして、その現場を支えてくれているのは200人を超える多国籍の外国人従業員だ。さまざまな価値観、労働観を持ち、異なる言語を使う彼らの人材マネジメントの困難を想像してもらえるだろうか。何かを社内で伝達するためには多数の言語に翻訳、通訳をしなければならない。勤務シフトを決めるのは複雑なパズルを解くようなものだ。困難は外国人労働者の人材マネジメントに限ったことではない。

世間では戦略的採用などと喧伝(けんでん)されているが、恒常的な人員不足の中では、それ以前に募集しても応募者の絶対数が集まらない。

賞与、昇給額を決めるにも、そのベースとなる人事評価が十分には機能しない。

管理職研修を実施しようとしても、同じ時間・同じ場所に管理者を一堂に集めることができない。そんなことをしたら現場は回らなくなる。

複雑で困難な「現場」があり、対応するにも、ヒト、モノ、カネ、時間などさまざまな制約条件が存在している。

しかし、それらを嘆いていても前には進めない。そのような時こそ「理論」は役に立つ。「理論=あるべき姿」と「現場=現実」とのギャップを考えながら、実践していく。これまで多くの制度構築、運用をしてきた経験則で磨かれた理論は、人事部長として社内変革を進めていく上で"武器"となった。

(WEB労政時報)Point of view - 第75回 太期健三郎 ―経営コンサルタントが人事部長になって学んだ「理論」と「現場」の関係
https://www.rosei.jp/readers/article/69480

地域: 茨城県 セブンイレブンのオリジナルパン製造リバティーフーズ
役割: 人事部長 兼 経営改革室長
24時間365日稼働工場。

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