ES/iPS/組織幹細胞の分化・成熟の誘導における細胞外マトリックスの活用

エキスパート

氏名:開示前


毒性評価の為に、精緻な肺胞上皮モデル培養系 in vitro を構築する研究を遂行している過程で、肺胞上皮培養細胞を用いた基底膜構造体 (LN-111/511 isoform) の形成に成功しました。その後この培養系を改良し、rLN-10/HEK293 細胞を用いて、ヒト基底膜構造体 (hLN-511 isoform) の作製に成功しました。この hLN-511 基底膜構造体を培養基質に使うことで、hLN-511 coat 等やフィーダー細胞を用いる従来の方法では成功しなかった、ES/iPS幹細胞や気道上皮基底細胞からの最終分化・成熟誘導 (→→ functional hepatocyte, islet beta cell, ciliated cell) に,初めて成功しました。Neuron network の形成も簡単に出来ます。 勿論、共同研究者の努力のたまものですが、成功の秘訣はとてもシンプルです。培地組成をあれこれこねくり回すのではなく、幹細胞が、in vivo で本来存在する固相環境を、in vitro でも用意すれば、幹細胞は自ずと正常な分化誘導を遂げるということです。 大多数の人は、この点に留意せず、漫然と先例をフォローして隘路に入っていると、私は感じています。一度立ち止まって、ゆっくりこの点を考え直してみては如何でしょうか?
 細胞分化の時には、色んなトラブルも起きます。その代表格は、細胞の継代です。私は、細胞外マトリックスやプロテアーゼ全般にも通じているので、生体組織の再構築は勿論のこと、分化誘導を掛けた継代の途中で発生する種々のトラブル(細胞が剥がれない、細胞塊が分散しない、分散した細胞が再接着しない等々)についても、個々の状況を拝見しながら、その解決策をご提案しています。

■その他
地域: 茨城県つくば市
役割: プロジェクトリーダー
規模: 国立環境研究所

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氏名:開示前

元々は、大気汚染物質の健康影響を研究する過程で、in vivo を模した精緻な肺胞上皮組織を in vitro で再構築し、生体影響評価に用いようとして、この分野の研究を始めたのがきっかけです。偶々、 de novo で形成された基底膜構造体を備える肺胞上皮組織が構築できたことで、培養肺胞上皮細胞による基底膜の形成に関するサイトカインの支配や間充織細胞の関与について、一連の研究を行いました。更に、ヒトrLN-10/HEK293 細胞を用いることで、上皮組織の一般形、 hLN-511 isoform の基底膜構造体が再現性良く作製できるようになりました。 この基底膜構造体を培養基質 (sBM:synthesized Basement Membrane substratum) に加工する技術を開発し、精緻な人工上皮組織を再構築する素材として使う研究や、未熟な幹細胞から成熟した機能細胞に最終分化させる一連の研究 (→→ functional hepatocyte, islet beta cell, ciliated cell, neuron) を進めました。
 これらの過程で、細胞培養に関する種々のトラブルに遭遇し、一つ一つ解決して現在に至っています。そんな経験が皆さんのトラブルシューティングに役立つことも有るのではと考え、今回登録することにしました。 論文の M&M に記載されたプロトコールに従って実施したつもりでも、上手く行かないのが常です。トラブルを自分で抱え込まず、年寄りの知恵を借りるつもりで、ご相談下さい。


職歴

職歴:開示前


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