新技術、新素材提案の信ぴょう性評価、技術デューデリジェンスについて話せます
■背景
☆技術系のベンチャーや新事業構想では、提案される技術の先進性・革新性が高いため、信ぴょう性の評価、
市場適用範囲の見込みが難しいということが往々にしてあります。特に、素材や基盤技術系の
提案では、専門分野が細分化されていることを利用し、投資家サイドに拡大解釈を与えて、
過大かつ不適切な投資を引き出している例があります。また、「革新的な」技術系のベンチャーへ投資したものの、
顧客や技術の出口が見つからず、投資引き上げのタイミングに苦慮されることも多いと感じます。
こうした事例で、提案者側の技術実現可能性や製品化(売上)の見込みを鵜吞みにすることは、とてもリスクが高いです。
また「革新領域であり、正しく評価できる人がいない」というような説明がなされる場合は注意が必要です。
ベンチャーキャピタリストや経営層が、提案者と同じ空想を抱いて失敗したり、提案者にだまされたりする
ことを防ぐためには、専門的かつ客観的な知見が求められます。
■実施可能業務
☆客観的な立場から、技術提案の信ぴょう性評価を行います。
→判断の根拠となるエビデンス(学術文献等)とともに、明確な評価を短納期でお出しします。
☆提案者側に投げかけるための、クリティカルな質問を準備いたします。
→実現見込みが低い事案の場合や提案に悪意や詐称の可能性がある場合には、
それ以後のアプローチを防ぐ効果があります。逆に、提案者側から
エビデンスや回答が得られる場合には、案件に対する信頼性が上がります。
■必要な情報等
特許や論文の文献を確認するため、提案者側の研究開発者のリストが必須となります。
提案者側から提示されている技術資料もできる限り共有ください。評価がより正確にできます。
特に試験や実験の生データが入手できれば、分野に関わらず信ぴょう性をおおよそ判断可能です。
■具体的な実績①
☆あるメーカーに提案された「革新的な新素材」が、技術に疎い経営層から高い評価を得ていた事例がございます。
素材の物理特性に関する提案で「○○業界を刷新する革新技術」として評価され、
研究開発費の投資がなされていました。実際には、提案者のグループによってなされた再現性の低い実験が、
拡大解釈されたものでした。社外との共同研究も進んでいましたが、共同研究先の「専門家」は
イグジットが不可能であることに気づきつつ、主に研究費を目当てに研究受託をしておりました。
☆アクション
まず、示されたデータが統計上の外れ値である可能性があるなど、基本的なデータの不備があることを指摘しました。
また、実験手法の評価から、得られた結果がよくある誤りであり、解釈に複数の飛躍("空想”)が含まれること、
産業的応用の可能性がないことをご説明しました。
専門書の記載事実を示して、投資を決定する相談者へフィードバックを行いました。
また、本件の信ぴょう性を第三者的に評価するための手法として、特定の専門学術誌を提示し、
機密を守りながら、第三者的に信ぴょう性を評価する手法をご教示いたしました。
■具体的な実績②
☆個人の方からバイオサイエンス分野のベンチャーへの投資についてご相談を受けました。
既に未公開株へ少額の投資を実施されておりました
まずデスクトップ調査を行い、ベンチャー側に当該技術の専門家が含まれないことを、
研究者の経歴調査(学位取得や公的資金資金の獲得等から実施可能です)や公開論文調査から確認しました。
また、事業者が主張する技術的な差別化ポイントは公知技術でおり、特許での権利占有が不可能であることを確認し、
相談者にご説明いたしました。アドバイスから5年経った現時点で、当該ベンチャーは実質的に活動を停止し、
製品化等の見込みは全く立っていません。残念ながら投資金額の回収は出来ませんでしたが、追加投資などを
実施することを防ぐことが出来ました。