障害者の社会復帰における多職種連携によるアプローチの重要性について話せます

エキスパート

氏名:開示前


■背景
脳疾患患者をはじめとする障害者の復職を含めた社会復帰への取り組みには、疾病の急性期治療に加えて、社会復帰に必要な日常生活自立能力、通勤を含めた運動・歩行能力、事務作業能力、業務を円滑に進める高次脳機能の獲得は初期段階として必須である。次段階として患者の社会的背景、仕事環境、社会保険、更には障害者雇用関連の法整備を理解した上で、会社側との密な連携、社会・福祉サービスの十分な準備を整えて初めて達成できる。この様な多職種による縦断的な切れ目のない取り組みを通して脳疾患を含む障害者が社会復帰を果たす事を我々の使命と考えている。また、現在障害者の就職に関してはハローワークなどの公的機関から民間企業まで多くの業者が参画しているが、基本的に障害者自らの応募が必要である。今後、このような機関へ病院からの連携ルートの確立も必要と考えている。つまり、医療機関と障害者雇用仲介企業との間を結ぶハブ的な機関を確立し、病院で作成した正確な評価結果を履歴書への添付資料とする事で、スムーズな就職を目指す事が出来る。

■話せること
当施設では「就労支援リハビリテーションプログラム」と題した臨床研究を立ち上げており、参加同意を得た脳卒中患者(2022年12月現在142名)を対象に本プログラムを進めている。理学・作業・言語療法士は身体・高次脳機能を評価した上で職場環境を想定した個別化リハビリテーション(以降リハ)を実践する。看護師は生活環境を考慮し、QOL評価指標:QLQ-C30/BN-20の結果を踏まえたメンタルケア、健康管理を行う。栄養士はBMI、味覚検査から適切な治療食提供と栄養指導、退院後の食生活指導を行う。薬剤師は医師と協力しポリファーマシーの是正と服薬回数の調整からアドヒアランスを改善する。社会福祉士(両立支援coordinator)は入院時より勤務先との密な連携体制を構築し、職場情報の入手、職場責任者との面談、試し勤務の調整を行う。更に失職例では、介護・身体障害者認定を準備し、障害者雇用枠を想定しつつ就労移行支援事業所への連携や障害者雇用支援業者への紹介を行う。退院後は半年以内、1年後、3年後に復職状況調査アンケートを実施する。2022年12月現在おいて、在宅復帰率は99%(69/70)、復職率は83%(58/70)である。会社側と面談を実施したのは12/70名(17%)で全員復職できている。3名で退院後に就労移行支援事業所へ連携或いは障害者雇用支援業者へ紹介し、入院中に就職活動を開始できた。身体・高次脳機能ともにリハにより改善が得られているが、改善度と復職率との関連は低く、復職可否には社会的要因が強く影響している可能性が示唆される結果を得ている。

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職歴

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