R&D部門の実務担当者として、もしくはR&Dをコアとした企業組織の国内・国外のマネジメントに関してお話しできます。
・「具体的な経験」事業に関わる低分子(生理活性物質や機能性物質)、高分子の機能性素材開発経験(ソフトスクラブ、角栓除去パック用素材など)と商品開発、ブランドの起ち上げ、海外子会社R&Dでの駐在経験がある。所属した会社のR&Dの発展の歴史も執筆(社外秘)。
・新規UV吸収剤の開発、ソフトスクラブ剤の開発、パック・角栓除去パック用ポリマーの開発、メイク系化粧品の新規ブランドの起ち上げ、それらの中での失敗経験。ヘアケア系海外駐在員(所長補佐)経験、毛髪の対象物経験(ダメージの様相と対応技術・技術コンセプトの創造)、ハウスホールド関連研究、R&Dのグローバル運営戦略担当業務。
・「最初の課題」博士号を取った低分子系化学から高分子化学部門に異動した時。新しい分野の研究基盤が無かったことで無能感に襲われた。これは教科書を短期に2冊読み、新分野のモデルとキーワードを頭に入れたのち、自分自身で実験することで約3か月で克服。その後合計10分野を経験したが、この時の経験が役にたったので、自分では「3か月ルール」と呼んでいる。
・業務上で最も大きな危機だったのは、メイク系化粧品の新規ブランドの立ち上げ時に、新しい機能を持たせるために導入した剤が原因で、予想していなかったトラブルに見舞われ、ブランドの立ち上げを遅らせかねなかったこと。これは部下になってくれた人達の協力を得て、乗り越えられた。
<論文は多数。受賞のみを記す>
・毛髪科学研究関連:SCC(Society of Cosmetic Chemist:J.Cosmet. Sci.)より2度( 2003年、2006年)Joseph P. Ciaudelli賞(最優秀論文賞)を受賞(共同受賞)。
・2016年「新しい柔軟剤の効果発現メカニズム」2報にて、米国JSDと日本油化学会で最優秀論文賞受賞(共著者)
<著書>「最新の毛髪科学」(共著) フレグランスジャーナル社(2003年)
<講義、講演経験等>
・2005年9月 高知大学にて、「企業活動の紹介概要と企業での研究」に関する講師。
・2010年10月 スイス モントルーにて世界洗剤会議(World Conference of Detergent) で日本石鹸洗剤業界(JSDA)の代表として講演。
・2012年6月 京都工芸繊維大学にて、「企業、企業での研究とは」という演題で講義。2013年7月 同上
・2013年11月 花王㈱研究開発部門(R&D)代表代理として中国 寧波でのCCIA(China Cleansing Industry Association)の年会で基調講演
・その他、主として毛髪科学と関連技術、界面科学・繊維化学関係分野で、日本国内外での学会共同発表、講演多数。
・「お役にたてそうと思うご相談分野」:所属した企業の技術的な秘密は語れませんが、多くの分野を研究者やマネジャーとして異動した時々に勉強・経験したことから抽出したことや、なぜこの企業がとびぬけて大きくなれたのかについては既に成書もあるのですが、私なりの理解をしており、それを基に組織・企業運営についても相談を受けさせていただけるものと思います。
■その他
地域: Ohio州立大学でポスドク(1年:論文3報)。ドイツの現地子会社R&D Vice Director(1996-1999年)
役割: 機能性ポリマー開発グループのリーダー、メイク系化粧品開発グループのリーダー、生理活性物質合成グループのマネジャー、ドイツヘアケア系子会社R&Dの現地所長補佐。毛髪関連対象物研究の室長。グローバルR&D戦略企画部門主席。F&HC部門R&D主席、素材開発研究所技術顧問、フルーツの加工技術の開発(NPO法人、研究統括コーディネーター)