医療業界における医師や薬剤師に受け入れられる医療ITサービスについて話せます
医師や薬剤師など多くの医療者と交流し、彼らの矜持や慣習を知っています。守るべき所があり、超えてはいけない一線もあります。それらを理解しないまま、異業種の方がサービスをリリースしても、まず普及しません。私はエンジニアとしての知見と医療者としての知見を両方備えていますので、どうすれば医療者に受け入れられ愛されるサービスが出来るか?、そうした点でアドバイス出来ると思います。
■その他
どちらでご経験されましたか?: 株式会社QLife
株式会社シェアメディカル
いつごろ、何年くらいご経験されましたか?: 2006年から株式会社QLifeのWebマスターとして病院検索サイトQLifeの運用を任される。わずか3ヶ月で100万PVを突破し毎日サーバーを拡張する日々を送る。幾度となくカスタマイズとリニューアルを繰り返し、そのすべてを主導。制作チームを立ち上げ「稼げる」制作チームを作り上げる。ネット広告を積極的に取り入れ、Googleから担当者がアサインされるほどの収益を生み出すことに成功。持続可能な医療こそが重要と、アプリ事業では無料でリリースし広告で回収するモデルをいち早く取り入れ、メディカルカテゴリでトップ5常連となる。
3.11を堺に、もっと医療現場で寄り添うサービスを作りたいと卒業し、2014年シェアメディカルを起業する。
2018年、デジタル聴診デバイス「ネクステート」に想を得て開発を開始。2019年9月1日より販売開始、200年ぶりの技術革新に医療業界が騒然となる。
2020年、新型コロナの世界的流行により、ワイヤレスで安全に聴診できるネクステートは医療機関で広く普及する。
その時どのような立場や役割でしたか?: エグゼクティブ・プロデューサーとして株式会社QLifeのサービス全ての立ち上げに関与。その後、医療ICT分野でHealthTechプレーヤーとして株式会社シェアメディカルを起業。
一番誇りに思う成果はなんでしたか?: 「世のため人のため」気恥ずかしい言葉でも誇りを持って言える。ネクステートの発売開始と、多くの医師からの謝辞の声は社会に求められプロダクトマーケットフィットしたと感じた瞬間は何物にも変えがたい瞬間であった。
一番の課題はなんでしたか?また、その課題をどう乗り越えましたか?: 医療という人の命がかかる分野は、市場に出してから直していけばいいという既存のIT業界の常識は通用しない、一度のミスで人が亡くなる可能性がある尊くも厳しい世界。それでも、人を救うという目標がブレなければ、結論お金はあとから付いてきます。優れたアセットがあれば、大手がひしめく中でベンチャーでも対等に渡り合えます。
どんな人にアドバイスを提供したいですか?: 医療分野に進出したいIT事業者、アプリ製作者、開発会社の方々。またHealthTechプレーヤーとして起業を志している方。医工連携したい方
この分野は今後どうなると思いますか?: 医療の世界は景気変動に強く、マーケットとして純粋に見れば医療費40兆円です。製薬企業を中心とした巨大な会社がある中で、様々な法規制がある産業です。すなわちこの分野に進出するためには医師や薬剤師の本当の気持ちをいかに掴む事が肝心です。彼らは自分の言葉の価値や責任を知っているだけに本音をなかなか見せません。私は長い経験で彼らの懐に入ることが出来ました。ヒポクラテスの時代から医療は縦社会です。容易に入り込むことのできない社会性を理解していないとどんな優れたサービスも受け入れられません。一方でIT化は非常に遅れているのも実情です。医療というと敷居が高く見えますが、要件自体はそんなに高くは無いケースも多く、参入余地は高いでしょう。
地域: 東京
役割: 事業企画、製品企画などのエグゼクティブプロデューサー
規模: スタートアップから従業員50名程度まで経験