同族会社の事業承継経験者です。後継者が先代から信頼を得るコツについて話せます
自動車整備(大型車の出張修理)、携帯ショップ運営、ビルテナント賃貸の3事業を柱とする中小企業の2代目社長を今年6月、無事黒字で次の社長に引き継ぎました。在任中、以下のようなことを経験してきました。
■ビルテナント事業の立ち上げ 【新規事業立ち上げ】
平成16年、JR立川駅前の約80坪の土地を競売で落札後、ビルのコンセプト立案、設計施工管理、テナント誘致、家賃・契約交渉、設備管理などを同時並行で行いながら、ビルテナント事業を立ち上げました。社内外関係者の調整を図りながら、プロジェクトを主導しました。事業立ち上げ後は、家賃を下げることなく、テナントと良好な関係を維持し、安定して約1億円の家賃収入を維持しました。
■新卒社員の採用、育成 【採用・研修】
就職不人気で新卒採用は無理だと言われた、大型車の出張修理専業の当社において、新卒の定期採用と定着を成功させました。自動車専門学校、大学に何度も通い、担当教職員の方々と親交を深める中で、会社説明会の機会を広げ、初めて新卒採用に成功、その後の定期採用の流れをつくりました。入社後は、経営理念の理解を軸とした独自の入社前社長研修と定期的な現場フォローにより、新入社員定着率ほぼ100%を維持しました。
■IT導入による技術伝承の仕組み構築 【人材育成】
トラック・バスの出張修理において、ウェアブルカメラとモバイル技術を融合させ、独自の生産性向上モデルを構築しました。若手への技術指導に割く時間がとりづらい中小企業において、「稼ぎながら、育てる」と「出張一回あたりの受注単価UP」を融合させたこのモデルを導入した結果、1人前になるまで10年かかると言われていた自動車整備の現場に、3年で1人前にする目途をつけ、出張一回当たりの受注単価を150%以上まで向上させました。
■未払い残業代是正スキームの開発 【コンプライアンス対応】
入社した当時、定額残業の月間の見込残業時間が、実態と見合っていない状態が放置されていました。私が就任している早期にコンプライアンス対応を図る必然があり、定額残業の見込み残業時間を実態に合わせながらも、基準内賃金を小さすることで、大幅な人件費の上昇を抑えつつ、社員全員若干上総額賃金を上げることで納得を得るというスキームで、労使合意を担保する修正プランを作成しました。
■安定収益確保の仕組みづくり 【賃金制度構築】
出張修理がメインの自動車整備事業において、「やってもやらなくても(報酬が)変わらないなら、誰もやらない」を合言葉として、いくら稼いだら、いくらもらえるかが明確な報酬モデルつくり、それを社員に開示することで、やらされではなく、自主的に仕事に取り組む風土をつくり、安定収益の礎としました。
■低迷する携帯電話販売事業の立て直し 【チームマネジメント】
業績が低迷する携帯電話販売事業(auショップの一次代理店として、立川と青梅に2店舗展開、スタッフ約40名)の立て直しに取り組み、2年がかりでPDCAを定着させ、KDDI代理店評価をそれまでの最低のCランクからトップからひとつ下のAランク(トップはSランク)まで引き上げました。
実績:
取締役(約6年)、代表取締役(約6年)の在任期間中、波はありましたが、売上高は20億~26億の間をキープ、経常利益率5~7%台で連続黒字を維持しました。
■その他
地域: 東京 多摩地区
役割: 新規事業立ち上げ(ビルテナント事業) 採用・人材育成 賃金制度見直し 未払い残業代コンプライアンス対応 業績不振事業の立て直し(プロセス管理~PDCA定着)
規模: 社員数:約80名 売上高26億円
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職歴
パスロジ株式会社
- 2020/10 - 現在
株式会社スマイルズ
- 代表取締役 社長 2019/6 - 2020/9
山三電機株式会社
- 代表取締役 社長 2003/4 - 2019/6
株式会社電通
- 1998/1 - 2003/3