PEEK樹脂の車両・航空機用部品の開発における製法・用途開発について話せます
PEEK樹脂は1970年後半に発明され、その後UK/ICI社で企業化された。
この樹脂は、耐熱性、力学的な強度、耐薬品性、成形加工性等にすぐれ、量産性されている熱可塑性のエンプラでは最上位の位置にある。
私は自動車および航空機分野のマーケッティング・セールスの部門長を担当した。
USERは自動車OEM, Tier1,航空機メーカー、個体軸受け、ベアリングメーカーであった。
競合他社も出てくる中、長い経験や使用実績により、非常に高い収益性を保ち、顧客満足度を高めた。
顧客も技術者が対応されるので、技術知識、成形知識、業界トレンドも熟知せねばならず、満足感の高い仕事ができた。 成果としてはEV向け部品、航空機向け部品等に切り口を作れたことだと思う。
*執筆文献:月刊トライポロジー :自動車技術 シャシー動力伝達編 PEEK樹脂の自動車分野への応用
254号54-56ページ(2008 Oct 10)
■その他
どちらでご経験されましたか?: ビクトレックスジャパン PEEK材自動車部門長
いつごろ、何年くらいご経験されましたか?: 2007年7月 〜 2009年12月
その時どのような立場や役割でしたか?: 最高性能エンプラであるVictrex(英)のPEEK樹脂の日本およびアジア地区での自動車・航空機方面での用途開発・マーケティング・販売に従事した。
立場:PEEK材自動車部門長
得意な分野・領域はなんですか?: 使用部位が過酷な環境になる樹脂製部品の共同開発 およびマーケティング・営業
自働車用部品:マニュアルミッションシールリング(R社)ベアリング部品(NT社、NS社、JT社)HV社用電装部品(T社)軸受用素材(A社)ターボチャージャーインペラ(X社)
航空機用部品:航空機内装部品(M社)非常用電装部品(M社)
この分野は今後どうなると思いますか?: PEEK材の価格が下がれば、量的に格段に増加すると思う。
フィルムや粉体塗装用PEEKに期待している。
中国プラント増設(1000トン/年)
誇りに思う成果はなんでしたか?: HV車基幹部品に採用されたこと。
全ベアリングメーカーで採用されたこと。
航空機に電気的機能部品に採用されたこと。
地域: 日本、EU, USA、アジア
役割: 自動車方面軍GM
規模: 1000人
プロフィール 詳細を見る
職歴
ポリマーコンサルタント
- 個人企業主 2017/4 - 現在
セラニーズジャパン株式会社
- エンプラ自動車方面開発部長 2010/1 - 2015/1
ビクトレックスジャパン株式会社
- PEEK材自動車部門長 2007/7 - 2009/12
DSMジャパンエンジニアリングプラスチック
- 技術開発マネージャー 2000/11 - 2007/6
EniChem Japan
- 技術・開発マネージャー 1991/7 - 2000/10
株式会社本田技術研究所
- 材料研究開発ブロック 研究員 1982/5 - 1991/6
三井東圧化学株式会社
- 研究員 1979/4 - 1982/4
- 学生 1973/4 - 1979/3
このエキスパートのトピック
-
EV化で使用される樹脂はどう変わるか?内装、動力部、ボデイ材について話せます
¥30,000~■ 具体的な経験の内容 自動車EV化は、突然やってくるわけではありません。ハイブリッド化や車載コントロールデバイスから20年ほど前から徐々に始まっていました。ナビゲーションなどもその一部です。 ■ 実績や成果 キャブレターから燃料噴射システム。樹脂化によるエアスロットシステム。 ECUの採用、多様化、統合化。小型電子デバイスの開発、廉価、生産システムの構築。電動パワーステアリング、電動パーキングブレーキ、コンパクトスターターモーター、徹底的なガソリンエンジンの小型化、部品の樹脂化など ■傾向 PBT, PPS, LCP樹脂、CF強化樹脂の使用比率が伸びています。 ■ そのときの課題、その課題をどう乗り越えたか 車を買って下さる方に違和感、不安感を与えないこと。電動化されてよくなったなと思われる車作りをすること。 ■ 業界構造(トレンド/主要プレイヤー/バリューチェーン等)の知見の有無 樹脂メーカー及び自動車R&D,コンサルティングに約40年従事しておりますので、多くの知見がございます。 ■ 関連する論文やブログ等があればURL *先端産業における高分子の役割2=自動車産業 高分子学会誌1987年36巻1号 *PLASTIC AGE Encyclepedia 進歩編 1990 65-71ページ(1989年10月) ■今後、注力したい対象車載品目 ①ミリ波レーダー対応熱転写箔 ②車載用レンズ材料 ③車載用OCA・OCR ④HUD用凹面鏡・平面鏡 ⑤HUD用中間膜 ⑥車載用コネクター用端子材料 ⑦モーター用絶縁フィルム ⑧EV社の電動化に伴う他補器類の静音化と熱マネジメント付加材料や設計対応 ■その他 地域: 国外であればSEA, Singapore, Bangkok, UK ,国内 役割: 自動車方面軍GM、エンプラやエラストマーの市場開発、将来展望 規模: 特にこだわらず。
-
エンプラ・汎用樹脂の世界コンパウンド事業(最新情報企業戦略)について話せます
¥30,000~樹脂は、大きく分けて二つの製造工程に分かれています。 1)モノマーを重合させ、ポリマー原体を作る重合反応工程(化学反応) 2)ポリマー原体では使いずらいのでペレット化する。また色々な特性を付与するため、無機フィラー、ガラス繊維、炭素繊維、難燃剤を混ぜる混練り工程(機械的な混合操作) 日本では、樹脂製造の歴史も長くプラントの生産能力が小さいため、上記1)2)を製造を一社内で完結させることが多いです。それに対しUSA、中国などでは、1)と2)を別会社でそれぞれ別会社で分業で進めることがおおいです。 ヨーロッパではその中間でしょうか? この辺を、各材料別、樹脂会社別(重合、コンパウンド)、国別に整理してお話しできると思います。 クライアント様それぞれのご事情に従って、どのような投資をされるのかよいか?ご相談に乗らさせていただきます。 ■その他 地域: 日本、アジア、EU, USA 規模: 6000人
-
合成ゴム・樹脂用添加剤のマーケティング・セールス・技術動向について話せます
¥30,000~■ イタリア炭化水素公社(ENI)関連会社EniChem社の樹脂用添加剤・合成ゴムの市場開発・販売・品質管理 ■ ヒンダードフェノール系酸化防止剤・合成ゴム(BR, SBR, Sol-SBR, NBR, EPDM, EPR, CR,アクリル、SBSなどをイタリア、フランスより輸入販売した。(現在はベルサリス社となっている。) ■ 日本品に劣らない品質、包装形態、保証、物流の整備など実行し、顧客の納得のいく価格で売買する体制を作った。 ■ タイヤメーカー、自動車部品メーカー、一般工業品メーカー、樹脂の改質、土木事業、樹脂メーカーなどのニーズ・シーズを理解している。特にポリマー原料になるS-SBRやBR(HIPSなど)や自動車バンパーやインパネに使用されるオレフィン系ゴム(EPR,EPDM)でのPP改質を得意としている。 ■ ゴムの国際相場、貿易や品質管理手法、荷姿や価格交渉のやり方などの実務経験あり。 ■参加防止剤は、それまでチバガイギー社の牙城であったが、日本PP製造最大手M社の採用に成功し、日本のPP樹脂のコスト削減に大きく貢献した。 ■その他 地域: 日本、アジア、EU 役割: 合成ゴム・樹脂添加剤マーケティングマネジャー(アジア地区) 規模: 6000人