探究学習の導入と定着の支援までについて話せます
■背景
2019年の高等学校学習指導要領改訂により、「総合的な学習の時間」は「総合的な探究の時間」へと移行しました。しかし、その意図や具体的な進め方が現場の教員に十分伝わっておらず、多くの学校が「何を教えたらよいのか」「どのように探究活動を展開すればよいのか」といった課題を抱えていました。
私は県の総合教育センターにて指導主事として勤務し、この課題に対応すべく県内の探究学習推進プロジェクトを主導しました。まず、県内外の先進校の実践事例や教育理論の調査研究を行い、その成果をもとに現場教員向けの指導資料(ガイドブック、年間計画例、評価の観点など)を作成しました。
さらに、その資料を活用した実践的な研修を複数企画し、県内の十数校に赴いて教員研修を実施。校内研修では管理職や担当教員と共に「年間計画の立て方」「テーマ設定の仕方」「探究的な学びの具体的方法」などについてワークショップ形式で指導しました。また、教職3年目研修の一環として、若手教員にも探究の理念と手法を伝え、学校全体で探究活動が浸透するような基盤づくりを行いました。
こうした取り組みを通じて、県内の探究活動は徐々に活発化し、最終的にはローカルテレビ局にて「地域と連携した探究活動を推進する教育センターの取り組み」として紹介されるまでに至りました。指導主事としての5年間で、現場の悩みに寄り添いながら、探究の必要性とその具体的な進め方を伝え続けてきた実績があります。
■話せること
◆なぜ今、「探究学習」が必要なのか
AIの進化や社会の急激な変化により、今後の社会では「正解のない問い」に向き合う力が求められます。探究学習は、まさにその「問いを立て、自ら調べ、考え、他者と協働して解決策を導く」という一連のプロセスを通じて、汎用的能力や非認知能力を育む教育です。学力だけでは測れない力を育てる上で、探究はこれからの教育の中核になります。
◆現場の教員に寄り添った探究の導入方法
・「テーマが決まらない」「調べ学習で終わってしまう」といったよくある悩みに応じた指導法
・学校ごとの状況に応じた柔軟な年間計画の組み立て方
・キャリア教育や地域課題解決とつなげた探究の設計方法
・探究活動の中でICT(Google Workspace等)を活用する方法
◆研修や校内体制づくりの支援例
・職員研修の設計とファシリテーションのポイント
・探究推進委員会の設置と役割分担の方法
・校内における「探究の見える化」と共有文化の醸成
・教職3年目や若手教員への研修設計と実施のコツ
■その他
・県内の高校で取り組まれた探究活動の成果が地元ローカルテレビ局にて紹介
・県教育委員会主催の教員研修会で講師を複数回担当
・県総合教育センター研究発表大会で「探究活動推進に関する実践発表」を実施
・校種や地域による探究活動の差異を踏まえた実践知あり