バイオ全般、骨軟骨代謝、がん免疫、微生物による物質生産について話せます
■背景
破骨細胞分化因子RANKLの発見・同定およびRANKL中和抗体の開発などを行い、医薬品シード探索、研究用試薬開発の業務に携わってきました。自らが中心となり世界に先駆けて特許出願したヒトRANKL中和抗体は米国Amgen社により抗体医薬(デノスマブ)として臨床応用され、その売上額は2023年に9,000億円以上となっています。自ら行ったRANKL同定の論文はこれまでに5,200回以上引用されています。また、研究所長として進めたプロジェクトでは、RANKL結合ペプチド(W9)の研究開発の中で骨形成と骨吸収を調節するRANKLリバースシグナル仮説を2013年に初めて提唱し、2018年にその仮説が証明されました。
さらにRANKL中和抗体を活用した新たな抗原特異性を持つがん応答性T細胞の新生により、がん免疫を増強できることをアカデミアとの共同研究により初めて示しました。その成果によりPD-1抗体(オプジーボ)、CTLA-4抗体(ヤーボイ)などの免疫チェックポイント阻害剤とRANKL中和抗体(ランマーク)との併用によるがん治療の可能性に道を開きました。
これらの経験に基づき、企業およびアカデミアにて、高い専門的知識、技術を産業応用するために必要な、広い俯瞰力を持った人材の育成に取り組んでいます。最近では生産・品質保証を担当し、お客様視点でのリスクマネジメントなどを行い、研究開発に関わる視野を広げるように努めています。
米国ハーバード(Harvard)大学医学部、東京大学医科学研究所での研究活動、雪印乳業、オリエンタル酵母工業での研究開発活動を通じて、日米のアカデミアや日本企業での研究開発(論文掲載103報、日本語総説41報)、特許出願(47件)など、様々な経験を持ち、現在も東京医科歯科大学、九州大学、昭和大学、東洋大学、東京歯科大学、松本歯科大学などで大学院講義を行っています。
■話せること
破骨細胞分化因子RANKLおよび開発の歴史、RANKLリバースシグナルによる骨形成、骨粗鬆症治療薬、変形性関節症治療薬、骨破壊抑制、軟骨再生、がん免疫増強、RANKL中和抗体、デノスマブ、免疫チェックポイント阻害剤とRANKL中和抗体の併用によるがん治療、バイオマーカーとしてのAGEs、AGEs測定法、微生物による組換えタンパク質産生、サイトカインの生物活性測定、動物実験代替法、in vitro評価系、動物実験一般、ELISA構築、