地方の事業承継経験からの成長戦略について話せます

■背景

もちろん、私の鉄工所での経験を基に、800字程度で要約いたします。

2004年に私、小林輝之は父の事業を継ぐ形で長田工業所に入社しました。当時、社員10人ほどの規模で、半分以上が身内の職人でした。一人ひとりが仕事をこなす独立した体制で、チームワークや組織力が欠如していました。

2012年、代表に交代して以降、私は「楽しい会社」を目指し、従来の体質を変革し始めました。まず、社員たちが笑顔になる環境づくりを考え、乏しい資金を効果的に使いながら、新しい取り組みを始めました。

その中でも2015年から始めた「アイアンプラネット」は特筆すべきプロジェクトで、工場で一般の人々に溶接体験を提供しました。渋っていた職人たちも、教える経験を通じて次第に表情が変わり、工場の雰囲気も大きく改善されました。メディアでの取り上げもあり、他社からの視察も増え、従業員たちの意識変革と安全衛生面の改善につながりました。

社員の健康面も重視しました。昼食のカップラーメンに健康的なおかずを加える「オフィスおかん」の導入や、ウォーターサーバーの設置など、小さな工夫で社員の食生活を改善しました。

また、休日の増加や年齢層の下降など、長期的な改善も進めました。休みを増やしながら生産性を維持する方法を模索し、50歳近かった平均年齢も20代の新入社員の加入で39歳に下げました。

これらの努力が認められ、健康経営優良法人にも選ばれるなど、業績の向上と共に会社の顔も変わりました。新卒の採用も決まり、明るく働ける環境を作ることの価値を再認識しました。

私が長田工業所で学んだのは、経済的な制約の中でも創意工夫によって人々の心を豊かにする環境が築けること。それが結果としてビジネスの成長にも寄与する、という重要な教訓でした。

■話せること
弊社の変革の背後には、企業文化の根本的な改革があります。その過程で、私たちは明確なビジョンと方針を策定し、全社員が一致団結して目標に向かえるように努めました。この変革はチームワークを強化し、一人ひとりの職人が単なる個人事業主から一体のチームの一員へと変わるきっかけとなりました。

また、予算計画の効率化も重要な取り組みでした。コスト削減を図る一方で、社員の健康と福利厚生に投資するバランスが求められました。「オフィスおかん」のような健康的な食生活を促進するシンプルなアイデアは、乏しい資金で効果が出る戦略となりました。この計画により、資源の効率的な管理と社員の健康の向上が同時に実現されました。

さらに、私たちの「アイアンプラネット」プロジェクトは、企業のブランディングとマーケティング戦略における革新的な取り組みでした。地域社会に開かれ、一般のお客さんや学生に工場での体験を提供することで、企業の価値観と特性が強調され、社外からの評価も高まりました。このプロジェクトは、単なる事業展開以上に、企業のイメージと信頼の向上に大いに貢献しました。

これらの取り組みから学んだことは、企業の成功が単なる財務成績だけでなく、文化、人々、価値観に基づいていることです。一人ひとりの社員が誇りを持って働ける環境を創造することが、企業全体の成長と共感を生み出す原動力となります。このような経験を基に、私たちは中小企業に対して、人々と価値観を中心に据えた経営戦略を展開する重要性を話すことができます。