IoTを活用した設備保全、金属の3Dプリンティングについて話せます
■背景
老朽化した設備やプロントの設備保全(メンテナンス)がこれからの日本の大きな課題と考え、西日本工業大学機械工学系の中に設備保全コースを設立し、コースとして完成させました。
事故が発生してから対応する事後保全から、トラブルが発生する直前に検知し対応する予防保全に舵を取り、効率的な(低コスト)設備保全が求められています。ここでは、ドローンやロボットなどの最新の技術を導入して人ができなかった検査や状態監視を可能にすることも必要になってきます。また、高効率な設備保全のためには、設備にセンサーを取り付け、IoTによりセンサーからの損傷や劣化を示すデータを集め、従来の暗黙知をAIで数値化しては判断することも必要です。
いずれにしても、最近のITと世の中の最新技術を最大限に活用して解決すべき領域ですが、技術的にはITからメカまでの幅広い技術への対応力、ビジネス的には顧客のメリットに対応した売れるシステムのアルゴリズム作りに苦労する分野です。
■話せること
設備保全は技術ではなく目的なので、それを構成する要素技術に展開し、三つの切り口で新たな授業科目を作りました。
一つ目は、機械要素、振動、回転機、材料、検査まで広く浅く学ぶ「機械保全」を作りました。ここでは、日本プラントメンテナンス協会認定の機械保全技能士の資格試験を合格するために授業です。最低限必要な要素技術について伝えることができます。二つ目は、設備に取り付けたセンサーからIoTでPCまで運んだビッグデータを設備劣化現象と結びつけるために、「設備保全データサイエンス」を作りました。設備保全用のデータサイエンスの基礎技術について伝えることができます。三つ目は、日本メンテナンス工業会との寄付講座に寄り、参画企業からの講演と、現状の課題に対するグループ討議をする「機械保全演習」を作りました。各業界での設備保全の考え方、最近の適用技術、今後の課題などのアウトラインを伝えることができます。
一方で、重要なのは顧客の視点に立った新しいサービスを考えることです。これは業界によりかなり状況が違うと思いますが、最も重要なのでは設備劣化のデータが自分達でコントロールできているかどうかです。できていない場合は顧客の理解を得ることがポイントになります。幸い企業時代にハードの売切り商売からサービス事業への展開を推進してきた経験があり、それをもとに新しいサービスビジネスを議論することが可能です。