プロテオーム解析の前処理・新型コロナウイルスの各種検査について話せます

エキスパート

氏名:開示前


■背景
国際医療福祉大学を卒業後、新卒として公益財団法人かずさDNA研究所に入所し、プロテオミクス解析を専門とする部署に配属され現在に至ります。主にプロテオミクス解析のための質量分析(LC-MS/MS)測定用サンプルの前処理(タンパク質の抽出および消化)に従事しました。その他、On the Job Training(OJT)の一環として、英文論文の執筆や投稿の方法、学会発表、抄読会、質量分析により得られた情報のデータ解析など、研究に必要なスキルのご指導を賜りました。また、入所と同時に社会人大学院生として国際医療福祉大学大学院修士課程(臨床検査学分野・領域)にも進学し、遺伝子染色体検査学教室に在籍しました。主に分子生物学における幹細胞学を専攻し、新規人工幹細胞(幹細胞様細胞塊)の細胞特性(幹細胞マーカー遺伝子発現、リプログラミング機構、カリオタイプなど)を明らかにするための基礎研究を行い、修士論文として報告しました。その他、PCR法で複数生じた増幅産物の鑑別法に関する研究を行い、邦文論文および学会発表にて報告しました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行後は、大学院で得た知識と技術を活用するため、4カ所の登録衛生検査所にて新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査・抗体検査、新規検査所の立ち上げ業務を経験しました。

■話せること
新規人工幹細胞の多能性幹細胞マーカー遺伝子の発現解析
・我々は、ある特定のin vitro条件下(特許出願中及び守秘義務有)において、正常ヒト皮膚線維芽細胞(Normal Human Dermal Fibroblasts:NHDF)が形質転換を起こし、幹細胞様細胞凝集塊を呈する自然現象を発見した。
・iPS細胞やES細胞、Muse細胞などの人工幹細胞は、根本治療を目的とした再生医療の発展に大きく貢献しており、今後もその発展に寄与することが期待される。

複数生じたPCRバンドの簡易的な同定法の開発
・ゲノムDNA由来EGFR遺伝子及びcDNA由来Siglec-E遺伝子を対象に行ったPCR法・アガロースゲル(AGE)電気泳動にて、複数(目的遺伝子と非特異)のPCR産物(アンプリコン)を生じさせた。それらに対する「長時間定電圧のアガロースゲル電気泳動」というアプローチにより、塩基配列同定(シークエンス)可能なレベルまでアンプリコンを精製・分離することに成功した。

微量な細胞由来タンパク質の簡便な解析法の開発
・細胞培養上清は様々な細胞由来タンパク質が含有しており、プロテオーム解析を行うことで生体機能探索の貴重な情報源が得られる。しかし、哺乳類培養液に添加されるウシ胎児血清(FBS)はアルブミンを主とした多くのタンパク質を含有しており、低濃度の微量タンパク質の検出が妨げられてしまう。そこで、細胞培養上清の濃縮およびアルブミンの除去により、微量な細胞由来タンパク質のアルブミンダイナミックレンジを拡大させることで、3700以上の細胞由来タンパク質を検出できる法を確立した。
・本法を腫瘍壊死因子(TNF)刺激を与えた場合および与えない場合のHeLa細胞の調整培地のプロテオーム解析に応用することで、有効性の実証に成功した。

■その他
ORCID ID: https://orcid.org/0000-0002-5282-1754
Researchmap:https://researchmap.jp/ren83
令和3年度 大学院第一種奨学金における特に優れた業績による返還免除の認定(全額免除)

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