繊維製品商社における営業向け販売生産についてお話しできます
¥30,000~
■ 具体的な経験の内容
繊維専門商社 瀧定㈱に1971年入社し、2011年瀧定大阪㈱顧問に就任するまで40年間、ファッション業界へ企画提案、生産をする営業をやってまいりました。
1988年に課長に就任し、22年間、部長就任後も現場の課長を兼任し、課長を退任する際は過去最高の業績で後任に引き渡すことが出来ました。
瀧定大阪㈱は課別独立採算を採用し、一つの課が一つの会社という考えで経営し、支払権限まで課長に任されておりましたので、経営者としての経験も数多く経験してまいりました。
現在も㈱オフィス市来 代表として豊富な経験を活かし現場感覚のコンサルで活躍中です。
■ 実績や成果
1985年に会社では扱っていなかった婦人カジュアル商品を立ち上げ、3年後には売上20億営業利益2億
の実績を作り、課長に就任しました。
■ そのときの課題、その課題をどう乗り越えたか
全ては自己責任。課員の指導、得意先の開発、生産地の開発指導、品質、納期、物流など
上手くいかないのは自分のやり方に問題があるとの考えで、知恵を絞り打開策を考えてまいりました。
■ 業界構造(トレンド/主要プレイヤー/バリューチェーン等)の知見の有無
開発した生産地は中国(大連、煙台、北京、天津、南通、上海、南京、武漢、広州)インドネシア、ベトナム、フィリピン、インドと数多く、その生産地を背景とした企画提案をし、これは売れると判断したら商品を独自で生産するリスクを取る商売を手掛けてきました。
40年間の営業では問屋主流の時代から始まり、アパレルの台頭、専門小売の台頭、SPAアパレルの台頭とそれぞれの時代を経験し、多くのアパレル企業の栄枯盛衰を見てきました。
■ 関連する論文やブログ等があればURL
10)売値の考え方
2016/2/2
日本航空を見事に再建した京セラの稲盛和夫会長は「値決めは経営である」と言っています。
●値決めは経営である
「値決めはたんに売るため、注文をとるためという営業だけの問題ではなく経営の死命を決する問題である。売り手にも買い手にも満足を与える値でなければならず、最終的には経営者が判断すべき、大変重要な仕事なのである。
私は「商売というのは値段を安くすれば誰でも売れる。それよりも低かったらいくらでも注文は取れるが、それ以上高ければ注文が逃げるという、このギリギリの一点で注文をとるようにしなければならない」ということを社内の営業部門に対して繰り返し強調した。顧客が喜んで買ってくれる最高の値段を見抜いてその値段で売る。その値決めは経営と直結する重要な仕事であり、それを決定するのは経営者の仕事なのである。」
___“稲盛和夫の実学”から引用___
●価値観、需給観
T社の生地は高いことは分かっているが、世間の商品とは差別化されているとか、現物で買えるので買わざるおえない事が良くありました。原価よりも高いとか安いとか関係ありません。価値観、需給観によって値段は変わります。少々高いがこの品質で、この納期で出来るなら高くはないと思ってもらうことが大事です。
●何故、安売りになるか
皆さんのOEMの商売は商品が選ばれ、価格が話し合われる時には、すでにその商品が「売れる」という判断がなされた後の段階であって「安いから買う」とか「高いから買わない」とかいう段階ではなく「商品を買いたい」という意思があっての上での価格交渉であるに過ぎない。安くしなければ売れないと思う営業は、値段を負けなければお客さんを逃がすと
いう幻想や錯覚を持っているのではないかと思います。値段を負けるタイプは、ついお客さんの話のペースに乗って、ずるずると喋り過ぎるうちに、相手に引きずり込まれ、一定の射程距離が置けないところにある。利害の違う交渉事は、意見は意見として聞き、それとは別として自分の主張を通す工夫をすることである。どうしても善良な人間は相手の言い分に同調しすぎ、自分のペースが守れないまま妥協してしまう。あくまで、相手の主張とは一線を引いてクールに対処するようにしなければならないが、それには、あまり都合の悪いことは喋らないことが肝要です。
●価値観、価格観、需給観
本来、価格は価値観、価格観、需給観で設定するものであり、原価の20%アップという単純な売値設定ではないはずです。しかし、原価の意識は大事です。会社が決めた販売ルールを守らなければ、会社は社員の給料を払えなくなります。
ただ、原価の20%アップだけで価格を決めると、もっと高く売れる価値であった場合、機会損失が生まれます。
商品を売るという行為には種々のサービスがついています。色柄、品質、ファツション性、納期、生産力、デリバリー、フォロー体制、リスク力、資金力などです。これにはすべて経費が掛かりますか