化学工業における研究、開発、分析についてお話できます
1.金属の表面処理剤の研究開発
・塩化第二鉄溶液によるステンレス、42ニッケル合金 鋼のエッチングに伴うエッチレートの促進並びにエッ チファクターの改良する添加剤を開発し、精密エッチ ングで使用されています。
・塩化第二鉄によるエッチング時、垂直にエッチング出 来ずマスク内面への侵入が起こる為、これを防止しさ らにスマットの発生を抑制する添加剤が求められ、さ まざまな極性化合物と界面活性剤の組み合わせを検討 しました。
・当時の業界としてはハイビジョン用シャドーマスクの 精密エッチング技術が求められていました。
・腐食防食全般に応じられます。
2.マグネシウム合金の量産塑性加工技術の開発
・マグネシウム合金製品は主としてダイキャストやチク ソモールドで生産されていますが、離型剤の巻き込み やバリ取りの必要性、歩留りに課題があります。
これらの問題を解決する為、プレス加工に必要な素材 の開発から金型構造、金型へのマグネシウム付着防止 技術、金型コーティング、耐熱潤滑剤、マグネシウム 合金の金属光沢を活かした表面処理技術を開発しまし た。
・マグネシウム合金の市場はなかなか拡大しませんが、 難燃性マグネシウム合金を使う事で、航空宇宙分野に 展開可能となります。
難燃性マグネシウム合金の塑性加工技術も開発しまし た。
・マグネシウム合金の開発から加工技術までの相談に応
応じられます。
3.全波長対応型新環境触媒の開発
・既存の光触媒は紫外線が必要ですが、紫外線から赤外 線領域までの幅広い波長の電磁波で作動する新環境触 媒を開発
・可視光応答型光触媒は多数開発され販売されています が、実際に可視光でも反応する触媒はほとんど無いの が現実です。
そのような状況において、公設試、大学、企業の研究 所にて可視光や暗所で効果が確認された触媒を開発し
ています。
・実績として国内大手メーカーに採用されました。
総合病院でも効果が認められています。
・光触媒全般について相談に応じられます。
■その他
どちらでご経験されましたか?: 朝日化学工業株式会社研究所主任研究員
株式会社カサタニ研究所研究所長
株式会社住友金属ファインテック技術顧問
いつごろ、何年くらいご経験されましたか?: 1982年から1999年まで、金属の腐食に関する研究および表面処理剤の開発を行い、その間SEM、EDAX、EPMA、ESCA、AES、ICP、原子吸光、HPLC、GC、イオンクロマトなどの各種分析装置を使った研究を行ってきました。
2000年から2008年はマグネシウム合金の量産プレス加工技術の開発、耐食性表面処理の開発を行い、この間XRD、FXなどの元素分析を駆使してきました。
2008年から2010年はリチウムイオン電池用シリコン負極材の開発に従事してきました。
地域: 大阪 愛知 奈良
役割: 研究所にて金属表面処理剤、めっきスパイク防止剤、金属の腐食抑制剤の研究開発に従事。マグネシウム合金の塑性加工に関する冶金学的見地・量産技術・プレス加工油の研究開発を指揮。
規模: 10名〜1500名までを経験