難治性疾患での患者会との付き合い方やそれに伴うKOL育成について話せます
■背景
2つの抗てんかん薬の上市をプロダクトマネジャーとその上司という立場で成功させた。既に海外で実績のある薬剤であったので、そのポジショニングやメッセージをグローバルと協働しながら日本に適応させ浸透させた。それをサポートするてんかん領域のKOL育成も重要で、様々な学会プログラムで新薬に対する信頼を醸成させることができた。また当時は精神科医や小児神経科医が中心であったてんかん専門医に神経内科医を増やすために毎年100名の若手神経内科医を集めててんかん診療の基礎を学べる場を設けて「てんかんは神経内科が診るもの」という現在の状況を作り出すことができた。
また各地にある患者会とKOLの繋がりを活用しながらてんかん患者の治療に対するエンゲージメントを高めることも重要であった。てんかんは日本に100万人いる神経疾患だが、その病型は様々である。小児発症てんかんではウエスト症候群やレノックス・ガストー症候群など希な症候群も存在する。その親御さんが希な疾患に対する情報集ができるようなホームページを開設したり、医師の診断に役立つような発作ビデオを提供したりしてきた。それにより医師も患者の親も馴染みのない疾患に対する理解を進めることができた。また「てんかんアンバサダー」として患者にスピーカーとなってもらい学会、患者会、社会など様々な場所でのてんかんを理解して貰う場を設けた疾患啓発プロムラムを運営した。それに地域のKOLを絡めて日本全国でてんかんへの理解を進めることができた。これにより非専門医に対しても会社や薬剤の認知度が向上することが可能になった。
またその後創傷被覆材メーカーへ転職したが、そこで表皮水泡症という難治の希少疾患の患者会との関係構築において前職の患者会との活動の経験が生きてきた。表皮水泡症は約千人という希少疾患であり、遺伝性の疾患である。また産まれた瞬間から発症しており、知識の無い産科医や新生児科医が戸惑うことが多い。すぐに表皮水泡症の治療が出来る皮膚科医につなぐことが大事である。また表皮水泡症を知る皮膚科医も少なく、当然ながらKOLは限られている。患者の親が患者会HPで初めて疾患を知り、専門医のドアをノックすることはまれではない。被覆材の保険適用は患者会から当局への働きかけで実現しており、KOLがそのサポートを行っている。医療機器メーカーとしては海外の治療環境の情報やエビデンスの紹介など側面からサポートしてきている。
■話せること
KOLを活用しながら特定の疾患領域に興味を持ってサブスペシャリティーとしてその診断と治療を担ってもらえるように医師をエンゲージメントする手法や、患者会との付き合い方や患者エンゲージメントとして「てんかんアンバサダー」の育成とその活用手法などについて話せます。
また希少疾患児を持つ親に疾患の理解やケアに関する情報提供を、患者会を通じて行う際のプロモーションコード上の注意点などについても話が出来ます。