製造業のトレーサビリティ対応について話せます
■背景
トレーサビリティ(Traceability)とは、現在、さまざまな業界で使われる言葉で、その製品の原料や素材、構成から現在の状態になるまでの加工内容や流通経路が追跡できること、または追跡するための仕組みのことを言います。
「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにすべく、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすることです。近年では製品の品質向上に加え、安全意識の高まりから重要度が増しており、自動車や電子部品をはじめ、食品や医薬品など幅広い分野に浸透しています。
トレーサビリティ対応の良し悪しが、時には企業の存亡を左右する内容に関係することもあり得ます。(市場クレーム対応の損失金額に大きく影響など)
製造業におけるトレーサビリティ対応では、多くの部門が関連することになりますが、生産技術、工場管理者が関与する部分はやはり、製品、部品の加工内容を詳細にトレースできるようにすることです。
優れたトレーサビリティを構築するには、その必要が生じた時、最小限の範囲に絞り込むために、いかに早く、正確にトレース出来るかという仕組み作りが重要になります。
■話せること
実際のトレーサビリティが威力を発揮する時の前後の状況について日常発生する問題を例にして考えると・・・
①問題発生、事実確認;社内、納入先、市場での問題の特定と事実関係の確認
②原因調査、素性の確認;問題となる製品の不具合要因の調査と原因部品、工程等、5M1Eの内容(素性)を確認、推定
③トレーサビリティによる波及状況の推定、絞込み;②で特定できた素性となるものをトレーサビリティの仕組みを利用して検索し、絞り込む
④対策実施;状況により、様々な対策を実施する。ライン停止、ロットアウト、ときには、ヤード点検、クレーム処理・・等々 があります。
つまり、トレーサビリティ対応の発揮場面は、日常茶飯事に起こることであって、常にその必要性に迫られている内容でもあるわけです。
従来は、ロットトレーサビリティといわれているように対象製品のロットの特定までを行うのが主流でした。しかし、昨今のIoT化がその流れを一新する時期に来ているようです。
社内、納入先、市場等での製品・部品のトラブル発生時、その素性を明らかにし、そのトラブルの波及内容を予測し、対処することが重要ですが、IoT化により瞬時に素性データ(各工程での品質管理データ等)のトレース対応が可能となります。仮に製品・部品の特徴量やシリアルナンバー等によるトレースが可能な条件を満たせば1個単位での品質保証も可能となり、品質・コスト両面から飛躍的に効果を発揮することになります。
トレーサビリティ対応導入により、加工品の品質管理の精度、信頼性、対応スピードを飛躍的に向上させ、さらには品質コスト低減へのポテンシャルも秘めていることがわかります。
このようなトレーサビリティ対応の品質管理面への適応に関連する指導、支援が コンサルティング対象となります。
このような内容について説明いたします。
■その他
https://www.pec-kumata.com/post/traceability
プロフィール 詳細を見る
職歴
職歴:開示前
このエキスパートのトピック
-
金属・樹脂部品締結技術について話せます
¥50,000~■背景 製造業の様々な製品(部品)は、構成要素であるいろいろな金属部品や樹脂部品が結合されたり、組み合わせられたりしていますが、製造工程上では一つ一つの組み立て加工を順に行っています。その加工工程では様々な加工方法、加工技術が使われており、製品仕様や製品構成に応じたベストな方法が選択されるべきものです。 今回の内容は、部品同士の締結方法に関する一般的見解、及び、個別にご相談のあった対象部品に対する締結方法の提案内容についての解説となります。 ■話せること 部品同士の締結方法として、下記のような加工方法を基本として解説します。 ①各種圧入加工 ②各種鉸め(巻鉸め、はとめ鉸め、ピール鉸め、あみ目鉸め、平鉸め、割り鉸め、ブラインド鉸め、ローリング鉸め、超音波鉸め、熱鉸め) ③各種ねじ締め加工 ④各種溶接加工(TIG、MIG、MAG、スポット、レーザー、CO2、ガス、ビーム、固相抵抗スポット溶接、リングプロジェクション溶接、シーム溶接) ⑤各種接合加工(摩擦撹拌接合(FSW)、摩擦圧接加工、線形摩擦接合、圧入プロジェクション接合、超音波金属接合、NMB接合、塑性流動接合、拡散接合) ⑥各種はんだ付け加工(手はんだ付け、ビーム半田、レーザー半田、IHはんだ付け、超音波はんだ付け) ⑤各種溶着加工 (熱溶着、超音波溶着) 上記のような締結技術を参考として説明いたします。
-
展示会における出展社と来場者のマッチングの方策について話せます
¥50,000~■背景 展示会における出展社のあるべき姿を、解説するとともに、 議題である「展示会における出展社と来場者のマッチングの方策」について、 当生産技術コンサルタントの各種展示会への参加経験を踏まえ説明します。 一般論の説明、及び、個別のご相談に対し、御相談会社様の製品・技術の内容に対応した解説を行います。 ■話せること 展示会においては、マッチングに至るまでの状況も含め、下記のような課題が挙げられます。 ①来場者が素通りする。 ②説明を受けても興味を引かない。 ③来場者のニーズに合っているという認識が薄い。 ④マッチングに至るためのつぎのステップに行かない。 上記の各課題に対する方策として 「①来場者が素通りする。」という課題に対し、・・・ ①来場者が立ち止まり、確認したくなるための方策(キーワードの設定) → 製品・技術の展示として何を売り込みたいのか、その売り込みのキーワードは何なのか明確にすること。 「②説明を受けても興味を引かない。」という課題に対し、・・・ ②キーワードの的確な説明ができること。 → キーワードがあっても、説明の的確性が薄いことが多い。 → 事前にしっかりと説明の手順、論理性のある内容となるよう訓練をしておくこと。 「③来場者のニーズに合っているという認識が薄い。」という課題に対し、・・・ ③来場者の求めているものの答えになっていることの証明 → 必ず、来場者のニーズを確認し、そのニーズとの照合性を説明する。 (すべてのニーズに照合させる必要はなく、合わない部分もしっかりと言及する。) → 説明者の技量に依存される部分ではあるが、しっかりと事前に想定質問に回答できる訓練をしておく。 「④マッチングに至るためのつぎのステップに行かない。」という課題に対し、・・・ ④名刺交換、カタログをもらいたいという状況へ持っていく。 → ③での説明が、頂点に近づいたとき、名刺交換、カタログ提供につなげていくこと。 → 後でゆっくりカタログ確認ができる様、内容のあるカタログの準備が必要。 上記のような各課題に対する方策について説明いたします。
-
製造技術の事業承継について話せます
¥50,000~■背景 製造業の経営者にとって 現在、最も必要な素養であると言われているモノづくりに関する知識、経験、及び、将来のあるべき姿の方向性の見極め方等に関し、当生産技術コンサルタントは、的確に支援し、指針がだせる立場であるという状況であり、今回、「事業承継」(製造技術)について、簡単に、解説いたします。 ■話せること もともと、事業承継(Business Succession)には、「親族内承継」、「親族外承継(社内事業承継)」、「M&Aによる承継」などがあり、経営権や会社の資産を後継者に引き継ぐことを意味しますが、いずれにしても、下記の手順(ステップ)での対応が必要になると言われています。 ここで、事業承継における生産技術コンサルタントの役割についても併記し、列挙すると・・・ 【事業承継の7つのステップ】 【生産技術コンサルタントの役割】 ①方針を決定する。 → ①技術分野の方針作成支援 ②後継者を確保する → ②後継者確保支援(技術素養の確認) ③右腕を見出す → ③右腕確保支援(技術素養の確認) ④経営に参画する → ④技術分野での経営参画支援 ⑤方向性を再定義する → ⑤技術の方向性の再定義支援 ⑥承継計画を文書化する → ⑥承継計画の技術関連部分の文書化支援 ⑦従業員を教育する → ⑦従業員の技術教育支援 このように、事業承継のいずれのステップにおいても、製造業におけるものづくりに関わる技術的側面において有効な支援が可能であり、これらについても生産技術コンサルティングの対象としていきたいと考えます。 このような内容について説明いたします。