店舗出荷型ネットスーパー、Qコマース、ダークストア型デリバリについて話せます
■背景
2005年にイオン㈱にネットスーパーの構想を提案。2006年には入社して戦略部にて組織を構築。2007年からプロジェクトチームを立ち上げ、イオンネットスーパーを立ち上げました。私はオペレーション、物流、店舗単位のエリア選定、物流会社選定、品質管理、ID基盤、ポイントシステムの構築、さらにはグループ企業への展開と幅広く担当してまいりました。また、クラシルでは「クラシルデリバリー」、D2C「クラシルミールキット」、ダークストア型「クラシルマート」の立ち上げも行ってまいりました。
■よくあるご質問
Q. 市場の伸び、業界トレンド、課題などを話せるか。
A. 世界的なトレンド、そして日本のトレンドを含めご説明することが可能です。
Q. デリバリーの利用者はどのような層が多いか?(年齢層、世帯構成など)
A. 実際にネットスーパーをはじめ、グロッサリーデリバリーで分析結果も把握しておりますのでご案内できます。また、配達現場にも複数件立ち会っておりますので、どのようなペインがあってご利用されているのか、その世帯構成も含めてご案内できます。
Q. 逆に、攻略できていない、今後注目している層はあるか?
A. 圧倒的にシニア層です。特にデジタル関連のリテラシが無い層です。ここに対しては過去に移動販売を行った際の反応もご関心があればご案内できます。
Q. 利用者の主たる目的は?(家事の時短?買い忘れ?など)
A. 上記2つめのご質問とかぶりますが、ご利用者全員に対してNPSとアンケートを行っていました。ビフォーコロナでは「子ども(乳幼児から低学年)をSMに連れて行くと大変だから」という回答が圧倒的です。また、重いもの、かさばるものに関するデリバリーニーズは圧倒的に高いです。アフターコロナにおいては圧倒的に「コロナの感染防止」もしくは「コロナに罹患したから」が突出しております。また、逆に「これだからネスパは使わない」というお声もありますので、ご興味があればご案内します。
Q. 特に利用が多い商品やサービスはあるか?どんなものか?
(サイズの大きな日用消耗品(ティッシュなど)、食材・キット、重量物(水など) など)
A. これはAmazonや楽天、Yahoo!ショッピングとほぼ同じ傾向にあり、「重量物(水・酒)」そして「かさばるもの」がSKUとしては多いです。一方で客単価を引き上げていて、注文件数が多いのは「生鮮三品」となります。野菜・畜産が非常に多く、水産物はあまりオーダーされません。
Q. 梱包~物流における課題やトラブルは?
A. ユニットエコノミクスを成立させるためには、ここが肝です。ほぼ全てのマーチャントが直面する課題は「物流費」と「店内オペレーションコスト」です。利益が出るオペレーション、物流の成功パターンはすでに見えており、ご興味がお有りでしたご案内することができます。
Q. サービス提供にあたって手間がかかっていることはあるか?
A. ①店舗活用形ネットスーパー、②ダークストア型デリバリー(OniGoやクラシルマート型)、③instacart型で全く異なります。こちらもそれぞれのボトルネックをお話できます。
Q. 今後予測されるニーズ、業界の進化の方向性(IoT・機器連携など)
A. こちらも上記の①店舗活用形ネットスーパー、②ダークストア型デリバリー、③instacart型で全く異なります。ただ、共通してニーズが高いポイントは商品の「需要予測」が重要になります。地域別の52週マーチャンダイジングも同じように重要となります。また、最も重くなる物流費のコスト削減の肝となるため、TMSといったテクノロジーも重要となります。さらに今後は人手不足と燃料代がより深刻化していくうえ、SDGs文脈で既存のトラックでの配達はサスティナブルとは考えられず、Nuroのような無人配達トラックが重要になってくると思われます。
Q. 住宅側(設備、家具、間取りなど)の進化への期待
A. ラストワンマイルではなく、「ラスト・リフリジエイター(私が作った造語です)」の時代に突入すると思われます。グロッサリー・デリバリーにおいて重要なのは「4温度帯(常温・冷蔵・チルド・冷凍)」の商品が品質を保ったまま冷蔵庫に直行できることが重要です。一方で最近はタワーマンションが多くなり、「置き配が出来ない」マンションも多くなっており、その点が大きな課題となっています。ヨシケイなどは「高層マンションが多い都心部は受付しない」としており、陸の孤島が増えていくことが予想されます。