研究開発組織にデザインの視点やスキルセットを持ち込み、新規テーマを打ち立てる方法のノウハウ共有
ソニー株式会社でR&Dテーマの立案や特許分析、開発テーマ構築、プロジェクトマネジメント、中期計画等にプレイヤー/プロジェクトマネージャの立場で関わってきました。また社内の特定分野の専門性を有する技術者の横串組織の技術戦略コミッティにおいてあるデバイスの新規領域の担当をしていました。
世界的に著名なデザインファームに一年間常駐し、人間中心設計手法を学びました。ここでは効果的なビジネスエスノグラフィ方法、定性データ分析、アイディア創出のためのワークショップファシリテーション、MVP要件仕様抽出とRapid Prototypingスキルを一通り経験しました。具体的にはEUプロジェクトで老人の単身世帯やSTEM教育に関するデザインリサーチや自身のプロジェクトとしてはプロトタイピングツールの開発などを行いました。
ソニーでは社内の新規事業起案プログラムで3名で起案した商品が社内公募の商品化プロジェクトに採択され、クラウドファンディングで資金調達を行い、Aromasticというプロダクトを起案しました。2020年現在も商品として販売、ビジネスが続けられています。(私は途中でメインの研究開発業務に注力せざるを得ない状況になったため、企画立案、プロトタイプと社内リソース獲得まで関与しました。)
参考:https://scentents.jp/aromastic/
これらの経験を元にZOZOテクノロジーズで有名な大学やユニークなシーズ技術を有する企業と産学連携のプロジェクトを複数立ち上げています。現在公開できる範囲では下の2つのプレスリリースの内容の立ち上げ(コンセプト創出とリソース獲得を私を含めた2名のメンバーで行なっています。)
1.ZOZOテクノロジーズが東京大学、株式会社 細尾と意匠を拡張する機能性テキスタイルに関する共同研究を開始 ~ 伝統工芸と先端技術が織りなす新しい体験の創出を目指す 〜
https://press-tech.zozo.com/entry/20200909_zozotechnologies
2.ZOZOテクノロジーズと慶應義塾大学 ファッションに特化したIoTノード開発および、グラフィカルユーザーインターフェースの設計に関する共同研究を開始 ~ ファッション性を重視したIoT製品の普及を見据えた、設計プラットフォームの構築を目指す 〜
https://press-tech.zozo.com/entry/20200924_zozotechnologies
デザインとテクノロジーの領域で個人として企業の共同研究開発を結ぶといったことも起こしています。
【その他】
・特許取得多数(受賞歴あり)。
・アカデミックな分野では筆頭著者でACS,IEEE,ACM系にマテリアル、ロボティクス、インタラクション領域で採択経験あり。
公開可能な主なプロジェクトは下のリンクに掲載しております。
http://snakamaru.info/projects/
実ビジネス領域よりも開発要素を踏まえた基礎コンセプト立案の部分でより知見を提供できるかと思います。どうぞよろしくお願い致します。
■その他
いつごろ、何年くらいご経験されましたか?: 大学院卒業後、テクノロジーとデザインの両分野の経験とネットワーク作るために6年間様々な活動を経験して参りました。(テクノロジーのみで言うとR&D部門領域で10年の経験あり)
具体的には海外デザインスクール関係のMeetupの開催(2015年以降、定期的)や社内でのデザイン思考導入の研修プログラムやパイロットテーマの推進(2015-2018)を行い、事業化や研究テーマの新規立案を行ってきました。
メガベンチャーの新規事業、研究開発の部署で産学連携のテーマを複数開始し、実際に新規のプロダクトの開発を推進しています。(国立大学や大手メーカーなどとのコラボレーション)
技術開発テーマでは、実務の研究開発業務に加えて、プロジェクトリーダーとして材料メーカーや素材メーカーとの共同開発、プロジェクトマネジメントを経験。
どちらでご経験されましたか?: ソニー株式会社の研究開発部門
Copenhagen Institute of Interaction Design (世界的に著名なデザインファーム)
ZOZOテクノロジーズ (Material UX Director)
東京大学客員研究員(ポスドク研究員)
その時どのような立場や役割でしたか?: ソニー株式会社:プロジェクトリーダー/ 新規テーマ推進委員/社内デザイン思考講師
Copenhagen Institute of Interaction Design:Research Fellow (研究員)
ZOZOテクノロジーズ/ 新規研究開発部門ディレクター 兼 研究員
一番誇りに思う成果はなんでしたか?: 常に意思決定に時間のかかる大企業の中で、事業・コンセプトの両面から新しいアイディアを提案し、ユーザーを巻き込みながら仮説検証を行うことで、半年程度でクラウドファンディングから資金調達を行い、事業化につなげたこと。
ソニー会社で新規のデバイス技術開発において五年で材料や装置メーカーとのチャネルや協業体制を構築し、特性を世界トップにまで引き上げたこと。またその成果を持って研究の開発フェイズを移行させたこと(社内では1%程度の通過率)
メガベンチャーの新規領域でありながら、個人の技術とネットワークを元に大手メーカーやその分野でトップクラスの研究室と提携し、複数のテーマを立ち上げ実際にプロダクト開発を進めていること。またそこから特許や技術ノウハウを複数生み出していること。
地域: デンマーク、東京
役割: 訪問研究員、プロジェクトリーダー
規模: 20000>, 50
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職歴
国立大学法人東京大学
- 客員研究員 2019/11 - 現在
ZOZOテクノロジーズ
- Material UX Director 2019/1 - 現在
ソニーグループ株式会社
- プロジェクトリーダー 2010/4 - 2018/12
Copenhagen Institute of Interaction Design
- Research Fellow 2014/8 - 2015/9