2000℃を超えるカーボン加熱炉や半導体成膜用の真空加熱炉について話せます

エキスパート

氏名:開示前


■ 具体的な経験の内容
 光ファイバーでは、石英ガラスを溶融して紡糸する線引工程があり、線引は2,000℃を超える温度(2,300℃程度)に加熱するプロセスです。この工程で光ファイバーの5つの特性が決まります。また、線引する前のガラス母材を作る工程には、カラス化という工程があり、ガラス微粒子を焼結するプロセスがありますが、塩素ガスをキャリアガスと一緒に供給し、1,200℃程度に加熱しゾーンヒーティングを行い気泡のない石英ガラス(プリフォームと呼びます)を作る工程があります。このほかにもプリフォームを伸ばす延伸プロセスもあり、それらにはカーボンヒータが使われています。
光ファイバーメーカは、光ファイバーの特性・品質や歩留まりを向上させるために各社が独自の装置を自社開発しています。私は、古河電工で光ファイバーの量産用のカーボン加熱炉の開発の全てに係りました。そして古河電工にしかない特赦な加熱炉を開発した経験と技術を有しています。
炉の評価方法も、半導体装置の気密・耐圧試験の方法を導入して、独自の検査基準を作り、設計基準としました。
■ 実績や成果
 古河電工の線引炉は私の設計した加熱炉が使われています。ガラス化炉は私が設計した特殊な炉が使われています。線引炉は海外の子会社にも導入されており、光ファイバーの高品質化、低コスト化に貢献していると確信しています。
■ そのときの課題、その課題をどう乗り越えたか
炉の開発では当初は、溶接部からの水漏れで苦労しました。溶接の方法を変える設計と冷却するの管理で解決しました。炉の大型化に伴いカーボンヒータの劣化、変形が発生しました。カーボンヒータの設計手法、固定方法を工夫して解決しました。
光ファイバーの5つの特性改善に取り組む中で、炉の各部の温度分布、変動と特性の関係をプリフォームの温度解析手法を使って解明し、独自の線引炉の設計思想を確立しました。
■ 業界構造(トレンド/主要プレイヤー/バリューチェーン等)の知見の有無
 ある程度あります。
■ 関連する論文やブログ等があればURL
 光ファイバの特許は100件以上出願しています。炉に関する特許も10件以上出願しています。
■ お役にたてそうと思うご相談分野
 高温で真空あるいは加圧して処理をするプロセス、例えば、カーボン繊維の製造。
 塩素ガスや可燃性ガスを使う加熱炉(化合物半導体のエピタキシャル装置を開発した経験があります)を使う分野は密閉性の高い炉が必要です。装置の気密性も要求される分野でお役に立てると考えています。

■その他
地域: 千葉県・三重県
役割: 加熱炉の開発・設計・量産立ち上げの担当およびマネージメント
規模: 4,0000

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氏名:開示前

古河電気工業株式会社にて26年コーポレートの生産技術部門に所属し、生産技術開発センター長を5年勤め、全社の事業の量産プロセスと量産装置の開発を推進、生産性と品質の向上を牽引しました。生産技術開発センターでは、世の中にない生産プロセスや装置の開発を行いました。研究開発部門で開発された新製品や新製法を量産化するために、量産に適した方法の開発やスケールアップにより発生する新たな課題を研究・開発して解決、製造装置にそのノウハウを組みんで量産ラインに導入する業務を長年おkなってきました。
2010年から子会社の東証一部の東京特殊電線(株)に取締役兼執行役員として赴任し、10年間赤字が続いていた子会社を再建し、営業利益が10%を超える会社に成長させた経験があります。再建は社長をはじめ多くの方の貢献により達成されました。その中で私は製造現場の生産性の向上を担当し、原価低減、設備能力の向上(生産性2倍)を主に担当しました。
子会社に赴任して3年目で再建のめどが立ちましたので3年目から4年間、新規事業の開発を重点に行いました。ICパッケージや回路基板の検査用のプローブピンの事業と関連が深いICパッケージや回路基板の検査治具(プローブ検査)の事業、フレキシブルフラットケーブルを回路基板として使うLED照明機器事業、ヒータ線の事業からはヒータ商品の事業の展開を考えました。全く新規な事業としては、パワー用の両面基板の事業化に着手しました。市場の調査を自ら率先しておこなって、事業構想・戦略を練って既存メーカに勝てるシナリオを創造し、試作検討を行いターゲット顧客を訪問して戦略の妥当性、開発目標を確認しする一連の活動を行いました。全て子会社にとって未経験の分野の事業です。開発の方針として、製品の性能・品質と価格の両方で先行メーカに勝つことを考えました。そのために、製品の新規性の開発と独自の製造方法の開発を並行して行いました。
 定年となる前の最後の2年間は理美容家電メーカのテスコム電機株式会社に転職し、3件の慢性的な重大クレーム(ユーザに怪我やユーザの財産に影響を与えるクレーム)の抜本的な解決に取り組み、組織横断的な体制を構築し、関係部門が協力して活動することで創業以来50年関係決できなかったクレームの対策を短期間で解決しました。
専門分野は、流体工学、伝熱工学ですが。要素技術としては、コーティング技術、金属接合技術、樹脂金属接合技術(回路基板用途)、レーザ加工技術、1000℃を超える高温炉設計技術があります。分野としては、光ファイバ、化合物半導体、車載用のワイヤーハーネス、電線・ケーブル、樹脂成型品などです。
私の組織は、どのようにアプローチしたら良いかわからないテーマの依頼を受ける部門でした。抱えている問題をどのように解決したら良いか悩まれている方もお気軽に相談ください。できる範囲となりますが誠心誠意をもってご対応させていただきます。


職歴

プロセスD&Tラボ

  • 代表 2019/8 - 現在
  • 代表 2019/8 - 現在

テスコム電機株式会社

  • 副本部長 2017/7 - 2019/4

古河電気工業株式会社

  • 主査 2016/6 - 2017/6
  • プロセスユニットシニアマネージャー 2009/5 - 2010/5
  • センター長 1984/4 - 2009/5

東京特殊電線株式会社

  • 取締役兼執行役員 2010/5 - 2016/6

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謝礼金額の目安

¥36,000 / 1時間

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